長い年月を経て進化したガラパゴスの動物たちは、類を見ないユーモアあふれる個性派ばかり。どんな場所でどんな生き物に出会えるのだろう。
▲空の生き物たち ▲陸の生き物たち ▲海の生き物たち
地球上で特定の限られた地域にしか分布・生息しない動植物の種、または種の下の階級のこと。ガラパゴスは固有種の大部分が手付かずの状態で残された、地球上でも貴重な諸島である。
鳥類の固有種率は約25%といわれ、どれもユニークなものばかり。それぞれが環境に応じて進化した結果、個性的な生態系を生み出している。大型ほ乳類など天敵がいないのも繁殖を助けた大きな理由だ。
ガラパゴスアメリカグンカンドリ (Galapagos Magnificent Frigatebird)
固有亜種
全長90 ~110cmの世界最大のグンカンドリ。のどに空気を送り真っ赤に膨らませるオスの求愛行動は必見。
ガラパゴスオオアオサギ (Galapagos Great Blue Heron)
固有亜種
全長140cm程度で、北の島々を除く全域に生息する。波打ち際で多く見られ、餌の小魚を狙う姿が印象的。
マスクカツオドリ (Masked Booby)
固有亜種
諸島で最も大きなカツオドリで全長70~90cm。毎年決まった時期に、9 カ月間の繁殖期に入る習性がある。
アカアシカツオドリ (Red-footed Booby)
固有亜種
進化論を裏づけた小鳥の総称。餌によってクチバシの形状が異なる。諸島には13種生息。
ダーウィンフィンチ (Darwin's Finches)
固有亜種
カツオドリの中で最も体が小さく、全長70~80cm程度。天敵である猛禽類の少ない島にのみ生息している。
ガラパゴスノスリ(Galapagos Hawk)
固有種
全長50cmと小柄だが、食物連鎖の頂点にいるタカの仲間。人を恐れない性格で観光客が見る機会も多い。
ガラパゴスカッショクペリカン (Galapagos Brown Pelican)
巣作りに適したマングローブや低木のある湾岸地帯に生息。全長120cm程度。コロニーをつくって生活する。
ヨウガンカモメ (Lava Gull)
固有種
世界で最も希少なカモメで、名前のとおり溶岩のような体色が特徴。諸島内の西側の広い範囲に分布する。
アカメカモメ (Swallow-tail Gull)
固有種
目の周りが赤く縁取られた夜行性の鳥。9カ月かけて繁殖し、諸島全域50カ所で繁殖行動が確認されている。
ガラパゴスアカハシネッタイチョウ (Galapagos Red-billed Tropicbird)
固有亜種
断崖や急斜面のある島で多く見られる海鳥で、長い尾羽が特徴。捕食のために海へ飛び込む姿が見られる。
ガラパゴスミヤコドリ (Galapagos American Oystercatcher)
固有亜種
海岸地帯に生息する全長50cm弱の鳥。特徴である朱色の長いクチバシで貝や小さなカニを器用に食べる。
オオフラミンゴ (Greater Flamingo)
個体数の少ないレア種。汽水域の沼地などに生息し、フロレアナ島やイサベラ島で繁殖が確認されている。
ガラパゴスマネシツグミ (Galapagos Mockingbird)
固有種
諸島内で4種に分類。1島に1種以上分布せず、それぞれクチバシの形が異なる。集団で行動する習性あり。
アオアシカツオドリ (Blue-footed Booby)
固有亜種
鮮やかなコバルトブルーの足が名前の由来。物おじしない性格でかわいらしい動きから観光客に人気がある。
陸産は虫類はすべてガラパゴス固有種のほか、海岸で見かける海獣や鳥類も実にユニーク。大型の肉食動物が今も昔もいないこともあり、人間に対する警戒心が薄い。至近距離で観察できる動物も数多い
ガラパゴスペンギン (Galapagos Penguin)
固有種
唯一赤道直下に生息するペンギン。餌の豊富な海域であるイサベラ島西部やフェルナンディナ島で見られる。
ガラパゴスコバネウ (Flightless Cormorant)
固有種
海辺に生息する、飛べない鵜の仲間。水中を素早く泳ぐのに適した体になるため、翼は退化してしまった。
ガラパゴスリクイグアナ (Galapagos Land Iguana)
固有種
陸生なのに木に登れないイグアナ。ウチワサボテンの下で食料になる葉肉が落ちるのを待つ姿が印象的だ。
ウミイグアナ (Marine Iguana)
固有種
手足に鋭い爪を持つ、世界で唯一海に潜れるイグアナ。体を温めるため、岩場で日光浴する姿がよく見られる。
ガラパゴスアシカ (Galapagos Sea Lion)
固有亜種
諸島全域の海岸でハーレムを形成。砂浜や海の中で見られるほか、人間の居住区で寝そべる姿も珍しくない。
ガラパゴスベニイワガニ (Sally Lightfoot Crab)
固有亜種
諸島全域の海岸で見られるカニ。鮮やかな赤が、溶岩の上でよく映える。レッドロッククラブと呼ぶことも。
ヨウガントカゲ (Lava Lizard)
固有種
リクイグアナの仲間で、全長20~30cmと小型。全7種が固有種で、生息地ごとに体色や体長が異なる。
ガラパゴスゾウガメ (Giant Tortoise)
固有種
諸島を代表する世界最大のリクガメ。11亜種が存在し、生息環境によって甲羅の形状が違う。
世界の海はつながっているとはいえ、ガラパゴス固有の魚類も数多い。複数の海流が入り混じるおかげで、栄養分豊富な環境が守られ、魚はもち ろんイルカにクジラ、ウミガメまでもが恩恵に浴する。
オニイトマキエイ (Manta Ray)
マンタの愛称で親しまれる世界最大のエイ。餌となるプランクトンが豊富な、栄養分の多い海で見られる。
イエローテールグラント (Yellowtail Grunt)
ブリトーグラントとも呼ばれる、黄色い尾ビレが特徴的な種。大きな群れはガラパゴスを代表する水中景観。
ジンベエザメ (Whale Shark)
固有種
ウルフ島やダーウィン島周辺で見られる確率が高い世界最大の魚。水温の低くなる6 ~11月頃が狙い目だ。
パシフィッククレオールフィッシュ (Pacific Creolefish)
成魚は赤みを帯びた体色に、3 ~ 5個の白点が特徴。カリフォルニア湾からペルー沖まで広く生息している。
ガラパゴスバーナクルブレニー (Galapagos Barnacle Blenny)
固有種
頭は青い水玉、アゴは黄色い斑点がついたギンポの固有種。6 ~12m付近の浅場で見られることが多い。
ブラックストライプトサレマ (Black Striped Salema)
固有種
別名ブラウンストライプスナッパー。広域で見られるガラパゴス固有種で、銀鱗輝く玉のような大群が見もの。
アカシュモクザメ (Scalloped Hammerhead)
固有種
鐘を鳴らす撞木に似たT 字形の頭部が名前の由来。通年見られるが、6~11月の乾期には大群が期待できる。
ガラパゴスアオウミガメ (Galapagos Green Turtle)
固有亜種
ウミガメの中で最も個体数が多く、諸島海域で唯一繁殖活動を行うと言われる。全長は100~120cmほど。
レッドリップトバットフィッシュ (Red-Lipped Batfish)
赤い唇と突き出た角がユーモラス。発見時は固有種と思われたが、後にペルー沖でも確認されている。
ガラパゴスリングテイルダムゼルフィッシュ (Galapagos Ringtail Damselfish)
写真は幼魚で、青とオレンジの体と背ビレの斑点が特徴。成長すると体は黒くなり胸ビレの縁が黄色くなる。
ガラパゴスシャーク (Galapagos Shark)
シルバーグレイの体に長く伸びた背ビレが特徴。諸島で多く見られるサメの種類で、大きい個体で2m程度。
キングエンゼルフィッシュ (King Angelfish)
カリフォルニア湾からガラパゴスにかけて分布する東部太平洋固有種。頭にある王冠のような模様が特徴だ。
ハーレクインラス (Harlequin Wrasse)
色が多彩なベラの仲間で、オレンジの体に黒い斑点が一般的。成長につれ、おでこのこぶが目立ってくる。
ガラパゴストリプルフィンブレニー (Galapagos Triplefin Blenny)
名前どおり3 つの背ビレを持つ固有種。2 つの黄色い斑点がある第一背ビレは、オスの求愛行動の証だ。